多くの方は、職業訓練を受けられるのは地元のものしか受けられない、住所のあるところしか受けられないと思っているかもしれませんが、実際には他の地域や他の都道府県の訓練を受けることは可能です。地元では自分の希望の訓練が受けられない、都会に住んでいるけど手に職を付けて田舎暮らしを検討中などといった場合ももちろん大丈夫です。
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近隣都道府県の職業訓練を受講する
神奈川県や千葉県、埼玉県の方のなかには、県内の施設に行くよりも東京の訓練施設の方が交通の便もよく受講可能なコースも豊富と言う方は多いのではないでしょうか。
そういう場合、もちろん東京の訓練コースを受けることが可能です。
希望のコースを受講できれば希望の職種や業種に就く可能性も大きく開けますね。
都心では訓練校も民間委託の不定期訓練も豊富
東京の場合、自治体運営の訓練校も13校もありますしコース数も充実しています。
また、民間委託の訓練コースも非常に多く開設されています。
さらに、独立行政法人高齢障害求職者支援機構(以下、機構と省略)では通常の求職者支援訓練のほか、職業能力開発大学校で不定期に離職者向けの訓練が実施されています。
UターンやIターンで全国の職業訓練からコースを選び受講する
近隣都道府県の訓練を受ける場合は自宅から通学する方法でしたが、発展・応用した方法として「UターンやIターン」して訓練を受ける方法があります。
Uターンの場合は、地方から都市部出てきて就職したものの離職。帰省して地元で訓練を受ける方法です。
Iターンは縁もゆかりもない地域に出向き訓練を受ける方法です。
その地域でしか受けられない訓練や、都市部では人気があるものの地方ではあまり需要のない訓練(穴場になっている訓練)を受けることが可能です。
当然ですが、全国から選ぶので選択肢は広がります。
「職業訓練王国」北海道
通常地方は都市部に比べると人口、人口密度ともに低いので訓練施設も少ないのですが、北海道は面積が広いこともあり訓練施設数が他の自治体と比較してもかなり充実しています。
北海道立の訓練校が9校、機構運営の訓練施設が4校もあります。
新築や新設の訓練校で受講可能
全国的に公共職業訓練は規模の縮小が進んでいます。老朽化の進んだ専門の訓練施設は廃止されているのが実情です。
一方で、老朽化した施設は廃止されてはいますが、いくつかの施設を統合した新設訓練施設が作られることも。
最新の実習用の機械や器具、施設の整った環境で学ぶことが可能です。
UターンやIターンで訓練を受講するメリット
暮らし慣れた場所を離れ訓練を受けるのはなかなか踏ん切りがつかないと思いますが、以下のようなメリットもあります
Uターンは生活費を抑えられる
都会でひとり暮らしをするよりも、雇用保険(失業保険)をもらいつつ実家から通学しするのはいかがでしょうか。
実家に帰省するのであれば、家賃や食費の心配は少なくて済みますし、訓練を受けながら訓練修了後の就職活動費用をためることも可能です。
特に1年コースや2年コースを受講するならメリットは計りしれません(2年コースなら200~300万近く貯めることも可能です)
Iターンは寮の活用
Iターンで見知らぬ地方に行く場合に気になるのは家賃問題です。
都道府県の訓練校の場合、数は少ないですが学生寮を完備した訓練校も存在します。
求職支援のための寮ですから寮費も抑えられています。
福島県立テクノアカデミー郡山の場合、月額2万円(寮費、維持管理費、平日3食付き(金曜は昼食まで))という事例も。
その他の職業訓練学生寮も多くは3~4万円程度で住むことができます。
学生寮は訓練校内に設置されているので通学時間もかかりません。
長期コースの無料校を選べる
政策によって「1年以上の公共訓練の有料化」が推進されています。有料と言っても1万円程度の学費なので普通の専門学校と比較すると格安には変わりありません。
しかし、雇用保険(失業保険)をもらいつつ通うのであれば、少しでも安く、出来れば「タダ」で通えるとありがたいですよね。
「公共訓練の有料化」は推進されてはいますが、都道府県によって対応はまちまちです。
都道府県によっては完全無料、2年コースの1年目は無料など色々とあります。
調べてみる価値はありますね。
地方の方が競争率が低い
前半でも少し触れましたが、都市部で人気のコースが地方でも同じように人気があるかと言えばけっしてそんなことはありません。
たとえば、都市部ではプログラミングやオフィス系のコースは人気が高く2~3倍の競争率になることも珍しくありません。
しかし、地方にいくと同じようなコースが定員割れして、何度か追加募集(募集期間の延長)してようやく定員まで集まることも多々あります。
訓練コースの倍率は求人需要によって変化するので、自分の住む地域では人気のコースも場所が変われば不人気コースになることも頭に入れて探したいですね。
国家資格を取れるコースが地域が変われば穴場になっていることも
コース名は魅力がないのに実は国家資格が取得できて求職数も多いものも探せば見つかります。
例えば「第二種電気工事士」は養成機関として国に指定されているコースであれば、試験対策を必死にやらなくても日々の勉強をやっておけば修了試験(コースの卒業試験)に合格さえすれば国家資格の取得が出来てしまいます。
普通に専門学校に通い受験するよりも資格取得のハードルは低く、費用面でもメリットは大きいですよね。
コース名だけみて「興味ないや」と思わずにコースの概要や資格取得後のキャリアなども描いてみるもの悪くありません。
近隣県や全国の訓練コースから選ぶメリットについてまとめてみました。