民間の委託訓練の訓練コースの多くは専門学校が受託し開講しています。
しかし実は専門学校以外の教育機関も訓練コースの受託をしています。
今回は、専門学校以外の職業訓練の委託先を見ていきます。
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地域職業訓練センター
地域職業訓練センターでの職業訓練は、民間企業や業界団体などが行う職業訓練です。
地域職業訓練センターでの職業訓練は建設関連団体が実施するケースが多いようです。
技能を身につけたい未就業者の他、在職者に対して行う認定職業訓練があります。
これらの訓練を行っているのは各地域に設立されている職業訓練協会です。
地域の職業訓練協会が運営しているものが「地域職業訓練センター」という施設。
この民間の職業訓練施設である「地域職業訓練センター」ですが、一定の要件を満たすと国から助成金が払われます。
そして、公共職業訓練が委託されるケースも。
なぜ地域職業訓練センターに公共職業訓練が委託される?
都市部であれば民間の専門学校が数多くありますが、都市部以外の地域の場合は委託できる民間の専門学校はそれほど多くありませんし、人口の少ない・高齢化が進んでいるような地域では委託先が全く見つからないことも。
そのような場合の受け入れ先として、民間の専門学校の代わりに地域職業訓練センターが委託訓練をおこなっています。
地域職業訓練センターで行われる講習会
公共職業訓練とは別ですが、地域職業訓練センター独自の講習会も受けることができます。
この講習会は、地域職業訓練センターの元となっている業界団体の技能とは直接関係がなさそうなパソコン講習会などがあります。
地域職業訓練センターの母体となっている団体は建設関連業が多いと書きましたが、建設現場で役立つ技能とパソコンの操作などは直接関係なさそうですが、企業規模の差はあったとしても、ほとんどの建設関連業でパソコンを使って資料を作成するため、パソコン操作は必須の技能と言えるでしょう。
講習会の受講費用は気になるところですが、講習会の受講費用はテキスト代程度と非常に安価なことが多いようです。
なので、公共職業訓練を受講する前に、地域の職業訓練センターで基礎的なパソコン操作などをマスターしておくと公共職業訓練がスムーズに受講できるかもしれません。
大学や大学院での委託訓練
公共職業訓練の委託訓練は大学や大学院でも開講されるケースがあります。
名称は「大学等委託訓練」といい、主に企業の経営管理や特定の専門分野において大学レベルの技術を学べるコースが設置されています。
公共職業訓練といえば、理論的なことよりも現場での技能や技術をみにつけることを目標としている中で毛色の違った印象です。
しかし、実際には委託先が大学や大学院というだけで学ぶ内容は専門学校に委託されるものと変わらないというコースも少なくないようです。
特色のある大学委託の訓練コース
委託できる専門学校がないから大学で実施している訓練コースもありますが、中にはユニークかつ特色ある訓練を実施しているところもあります。
山梨県にある県立農業大学校に委託されている農業科の訓練は、野菜や果樹、花き(”はなき”と読み、草花のことを言います)の3つの分野のコースがあり、それぞれの栽培技術や農業にかかわる経営管理などについて学ぶことができます。
実家が農家でUターンしなければならなくなった、農業で独立したいという方には最新の栽培技術や経営について学ぶことができるのでピッタリのコースと言えるかも知れません。
千葉大学大学院の自然科学研究科では「計算機科学」や、東海大学海洋学部では「食品流通管理者養成科」、龍谷大学では「環境マメジメント科」なども過去に委託訓練が実施されました。
大学や大学院での訓練コースは数は多くありませんし、いつでも募集しているわけではありませんが、専門学校で実施される訓練とは異なり理論と実践の両方を学ぶことができそうです。
調べてみる価値は高いのではないでしょうか。