自己都合で退職した場合、給付制限がつきますが、「特定理由離職者」と認められた場合は給付制限が解除されますが、特定理由離職者に認められる以外の方法で給付制限が解除される方法はないのでしょうか。
今回は、「特定理由離職者」以外で給付制限が解除される方法について見てきます。
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公共職業訓練を活用する
離職後は失業手当と転職活動に目が行きがちですが、公共職業訓練で職能を身につけつつ、失業手当を受け取ることも可能です。
公共職業訓練を受講する場合、受講開始日から給付制限が解除されることはあまり知られていません。
公共職業訓練の情報収集は退職前から計画的に
退職してから受給手続きの際にハローワークでパンフレットをいろいろと貰って初めて知ることも多い、公共職業訓練。
公共職業訓練はいつでも入校可能と言うわけではありません。
短期の訓練コースの入校時気は3ヶ月ごとや6ヶ月ごと、長期の訓練コースは半年に一度や年に一度しか入校タイミングがありません。
失業保険の受給手続きをしてから希望に近いコースを探していると、訓練校への入校タイミングが遅れてしまい、結局入校できた頃には給付制限の解除時期とかわらなくなってまうことも。
そうなってしまわないためにも、事前の準備が肝心です。
退職前から調べておけばスムーズに事は運びます。
ネットである程度調べることもできますし、時間を見つけてハローワークに出向きパンフレットを貰うことも可能です。
ネットや貰ったパンフレットで気になる訓練コースがあれば、電話やメールでコースの概要、取得可能な技能や資格試験の対策の有無、入校の競争倍率など問い合わせてみましょう。
志望している訓練コースが人気があると2~3倍の競争率になることもあります。人気コースは志望しても選考で落ちる事もありますので、就職したい業種や職種に近い内容が学べてなるべく入りやすい訓練コースを選択するのがいいでしょう。
似たような訓練コースでも訓練校が異なるとそれほど人気がない事もあります。
シッカリ調べることが重要です。
しっかり準備をしておけば、退職してから短期間での職業訓練を受講することも可能になります。
そうすることで、自己都合退職でも3ヶ月の給付制限をほとんどされずに受給される可能性も高まります。
公共職業訓練の申し込みのタイミング
公共職業訓練の訓練コースの入校は手続きをするとすぐに入校できるわけではありません。
概ね、入校時期の1~3ヶ月前までに申し込みをしなければなりません。
4月開講の訓練コースの場合、申し込みは2月上旬から3月上旬が締め切りになっていることがほとんど。
申し込みの開始時期、締め切り時期は訓練校ごとに異なりますのでシッカリ調べておきましょう。
公共職業訓練の申し込みと退職、失業手当の受給例
年末に退職を決意し、職業訓練のコースを調べ始め希望のコースが3月上旬まで申し込みをしていることを確認。
コースについてハローワークや訓練校に問い合わせをし、毎回の入校者選考の競争倍率や試験の内容などを把握。
2月末に退職することを職場に伝え無事退職。
3月上旬に職場から離職票が届いたら、すぐにハローワークで雇用保険の手続と公共職業訓練の入校相談をします。
入校相談とほぼ同時に申し込みを行うと4月の入校に間に合います。
この例の場合、3月分は給付制限が課せられますが、入校すると同時に給付制限が解除されるので、4月から失業手当をもらうことが可能になります。ちなみに4月の失業手当は末締めの翌月半ばの支払いになるので5月の中旬には最初の失業手当が振り込まれます。
公共職業訓練を活用することで2カ月早く失業手当を受け取れるようになりますし、技能を修得することもできますので訓練校に通うメリットは小さくありません。
また、訓練の開始日までに退職することが確定していれば、在職中に訓練校の申し込みをすることも可能です。
この場合、給付制限を全く受けることなくすぐに最初の失業手当を受けることが可能になります。
退職後にすぐ訓練校に入校する場合、訓練開始日までに所轄のハローワークに雇用保険に関する手続きを全て終えておく必要があります。
退職してから離職票が手元に届くまで1週間程度かかることを考慮すると、退職から訓練開始までは10日から2週間程度余裕があったほうが良さそうです。
公共職業訓練は再就職のため
あくまで、公共職業訓練校は技能を身につけ再就職に役立てるものですので、「給付制限が解除できる裏ワザ」として受講するのはご法度です。給付制限が解除されるのは大きなメリットですが、まじめに訓練を受ける人への特典と考えておきましょう。
公共職業訓練のその他のメリット
公共職業訓練の大きな目的は技能の習得と特典としての給付制限の解除ですがそれ以外にもメリットはあります。
訓練校とハローワークはお互い連携をとっていて、就職先の斡旋・紹介をしてくれますし、訓練校のOBがいる企業は訓練校経由の採用を積極的に行っています。
また、訓練校に通う共通の目的を持った仲間を作ることもできます。
一人で就職活動をするのは精神的にも苦しい事も多々ありますが、同じ目的を持った仲間がいればお互い悩みを相談したり、情報交換することも可能です。