独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED 旧雇用・能力開発機構)の支部が運営する職業訓練校には大きく分けて2つのコースが設定されています。
ひとつはオーソドックスな「ポリテクコース」、もう一つはおおむね35歳未満の若年者の方が対象のコース(名称は特に決められていません)です。
今回はこの2つのコースがどのようなものなのかを見ていきましょう。
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ポリテクコースは2つのコースに分けられている
機構が運営するポリテクコースは「アビリティコース」と「委託訓練コース」に分けられています。
まずはこの2つのコースの特色について見ていきます。
アビリティコースは機構の訓練施設で実施
もっともオーソドックスな訓練コースとも言える「アビリティコース」はほとんどの地方で設置された訓練プログラムとなっています。
職業能力開発推進センターや職業能力開発大学校、ポリテクセンターなどの専門の訓練施設で運営・実施されています。
アビリティコースでは、機械製図や工作機械の操作方法や金属加工、ビル管理、住宅サービスなどの技術系の技能を修得することが可能な訓練コースを設置しています。
いずれのコースも訓練期間は6カ月となっています。
民間委託コースは専門学校などに委託
「民間委託コース」は高齢・障害・求職者雇用支援機構などの支部が運営する各地のポリテクセンターが民間の専門学校などに委託して実施する訓練コースです。
アビリティコースが工業・技術系に対し、民間委託コースはパソコンを活用したOA実務や情報システム、事務(営業事務・経理・貿易など)、営業、サービスなどを学ぶことが可能な訓練コースを設置しています。
従来の職業訓練校では、工業系の訓練ばかりでしたが、民間委託コースの設置によってこれまで無かった事務や営業、サービス、プログラミングなど新しい訓練内容が用意されるようになりました。
昔のイメージでは職業訓練校=工業系でエンジニアや工場などでの勤務に興味のない人は敬遠しがちでしたが、近年では企業や失業者のニーズに合わせて訓練コースも随分変わっています。
民間委託コースの訓練期間の多くは3カ月が標準です。
都市部の専門学校などで学ぶことができるのも通学に便利ですね。
若年者向けのコース
おおむね35歳未満の若年者が対象のコースはキャリアの無い、もしくは浅い方を対象としたコースです。
このコースの大きな特徴は、委託訓練と企業内での実習を組み合わせていること。
3カ月程度の委託訓練で基礎的な学習をした後に、数ヶ月の企業内実習を行い実践的な知識や技能を身につけられるカリキュラムになっています。(企業内実習が先で委託訓練が後のコースもあるようです)
インターンシップをイメージするといいかもしれません。
中には訓練コースも修了後、実習先の企業に就職可能なコースもあるので、キャリアが浅くて正社員として働くことが難しい人にとっては大きなチャンスとも言えます。